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今日は12月4日(金曜日),東京で開催された第13回日台耳鼻咽喉科学会から帰ってきたところです。小生が神戸で開催させていただいたのは4年前。私自身,この学会がきっかけとなりアジア・オセアニアの先生方との交流が一気に広がりました。次回は2年後の12月第1週に台湾での開催です。台湾の先生は皆さん優しく親日家揃いです。国際学会へのデビューにはうってつけの学会ですので,ぜひ,若い先生方をお誘いのうえ,ご参加ください。今年も振り返ればラグビーワールドカップの歴史的勝利,大村智氏・梶田隆章氏のノーベル賞ダブル受賞,国産ジェット機の初飛行など勇気づけられる嬉しいニュースが続きました。自分を信じ目標に向かってたゆまぬ努力を続けることの大切さを改めて教えてもらいました。一方,政治の世界では安全保障関連法,マイナンバー制度,18歳選挙権などこれからのわが国の行方を大きく左右する重大な法案が可決されました。10年後,20年後に振り返ったとき,本年が本当に良い年であったと心から思えることを願います。
さて,今月号の特集は「小児の中耳炎を究める」です。急性中耳炎は3歳までに50〜70%の小児が少なくとも1回は罹患するcommon diseaseですが,1990年代後半から薬剤耐性化や,母乳栄養の短期化,集団保育の増加などを背景に急速な難治化が進んできました。そこで,本特集では急性中耳炎を中心に特集を企画し,林 達哉先生(旭川医大)に「小児の中耳炎の疫学」,冨山道夫先生(とみやま医院)に「小児急性中耳炎起因菌の最近の動向」,坂口博史先生(京都府立医大)に「急性中耳炎」,丸山裕美子先生(黒部市民病院)に「反復性中耳炎」,新鍋晶浩先生(自治医大大宮医療センター)に「真珠腫性中耳炎」,仲野敦子先生(千葉県こども病院)に「滲出性中耳炎」,そして守本倫子先生(成育医療センター)に「全身疾患と中耳炎」について解説していただきました。経験豊富な第一人者による最新の情報をぜひご一読いただき,明日からの臨床にお役立てください。原著論文も「茎状突起過長症の手術」(真栄田論文),「篩骨洞に発生した骨肉腫」(河口論文),「声門に病変を生じたRosai-Dorfman病」(真田論文),「甲状腺内異所性副甲状腺腫による原発性副甲状腺機能亢進症」(渕上論文),「輪状甲状靱帯開窓術」(我妻論文)と貴重な症例報告が揃いました。ご投稿いただいた先生方に心より感謝申し上げます。
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