書評
内視鏡下鼻内副鼻腔手術[DVD付]—副鼻腔疾患から頭蓋底疾患まで
甲能 直幸
1,2
1杏林大学耳鼻咽喉科・頭頸科
2佼成病院
pp.1140
発行日 2015年12月20日
Published Date 2015/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200791
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
書籍本体とDVD(動画)によりESSの基本から応用までがよくわかる
このたび医学書院より,『内視鏡下鼻内副鼻腔手術—副鼻腔疾患から頭蓋底疾患まで』が刊行された。鼻の慈恵と言われた伝統を受け継ぐ,東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科森山教室の総力を挙げた鼻の内視鏡下手術の集大成である。鼻副鼻腔手術で鼻外手術から鼻内手術,そして内視鏡下の手術へと至る,歴史を踏まえた,内視鏡手術の全てがわかりやすく解説されている。
本手術の基本概念は,鼻腔の形態を是正し,副鼻腔の換気と排泄の改善を図り,副鼻腔の空洞性治癒と洞内粘膜の炎症の軽減を目指すことであると,総論で述べられている(本文6ページ)。この目的を達成するためには,(1)副鼻腔の単洞化,(2)洞内粘膜の保存,(3)鼻腔形態の是正(鼻中隔彎曲の矯正を含む),(4)中鼻甲介・上鼻甲介の保存,が必要となる。本書はこの基本的な考え方をもとに,低侵襲で精度および患者満足度の高い治療を求めて術式の改良が行われた結果の書である。
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.