書評
ウォーモルド内視鏡下鼻副鼻腔・頭蓋底手術
藤枝 重治
1
1福井大・耳鼻咽喉科
pp.174
発行日 2021年2月20日
Published Date 2021/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411202619
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内視鏡下鼻副鼻腔手術のバイブルであるP. J. Wormaldの原著『Endoscopic Sinus Surgery』の初の邦訳が本書である。P. J. Wormaldは世界でも屈指のrhinologistとして名高く,彼が心血注いで書き続けている原著は第4版まで刊行され,改訂されるごとに手術アプローチやコンセプト,周術期管理に至るまで進化を続けている。もちろん,本書は最新の第4版の邦訳である。内視鏡やナビゲーションなどデバイスの進歩とともに内視鏡下鼻副鼻腔・頭蓋底手術における知識や技術のアップデートが必須であるが,原著を十分に理解するには,多忙な臨床医にとって『言語』という壁が敷居を高くしていた。このたび,P. J. Wormaldのspirit(魂)を受け継ぐ北大の先生たちの手によって待望の訳書が発刊されると聞き,彼の金言をより身近なものとして感じられることに胸が躍った。
あえて紹介するまでもないかもしれないが,P. J. Wormaldはオーストラリアを中心にworld wideに活躍するtop surgeonである。また彼は手術のみならず研究者の顔も持ち,国際誌に330以上の論文を掲載している類まれなるrhinologistでもある。
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