増刊号 こんなときの対応法がわかる 耳鼻咽喉科手術ガイド
Ⅴ.頸部の手術
副咽頭間隙腫瘍に対する手術
四宮 弘隆
1
,
丹生 健一
1
1神戸大学大学院医学系研究科外科系講座耳鼻咽喉科頭頸部外科学分野
pp.264-267
発行日 2015年4月30日
Published Date 2015/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200627
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症例呈示
症例は46歳,男性。右咽頭の違和感を主訴に他院を受診し,中咽頭右側壁の膨隆を指摘された。MRIで副咽頭間隙腫瘍を認め,当院に紹介となった。既往に睡眠時無呼吸症候群があり,持続気道陽圧(CPAP)療法を施行中であった。
初診時の咽頭所見,造影CT所見,MRI所見を図1に示す。咽頭右側の膨隆を認め,弾性硬の腫瘤を触知した。造影CTでは辺縁整で内部均一な造影効果を受けない腫瘤として描出され,MRIでT1強調低信号,T2強調高信号の腫瘤が茎突前隙に存在し,ごく一部が耳下腺と接してみえた。副咽頭の脂肪織の圧排方向ははっきりしなかった。冠状断ではおおむね円形だが一部紡錘状にもみえた。経口腔的に穿刺吸引細胞診を施行したが,検体不適正であった。
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