特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域 腫脹の診断
17.咽頭の腫脹(副咽頭間隙・後咽頭間隙を含む)
稲村 直樹
1
1東北大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.92-95
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411901025
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1.腫脹をきたす部位の解剖
副咽頭間隙(parapharyngeal space)は,咽頭側壁にある粗鬆な結合組織で充たされた間隙であり,内方は扁桃窩と接しており,後方には頸動脈や舌咽神経・迷走神経・副神経・舌下神経を含み,下方は縦隔洞に通じている。図1に模式図を示すが,茎状突起により前後2つの部位に分けられ,副咽頭前隙・後隙と呼ばれる。
後咽頭間隙(retropharyngeal space)は頸筋膜椎前葉(prevertebral fascia)と咽頭の収縮筋間の疎性結合組織で充たされた間隙であり,小児の場合にはリンパ節を含んでいる(図2)。
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