特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床
V.痛みと東洋医学
痛みと漢方
藤井 一省
1
1東海大学医学部耳鼻咽喉科
pp.957-959
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200445
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
中国医学における疾病の認識は病名ではなく,独特の病態認識によっている。この認識を弁証という。本項で述べる"痛みと漢方"に関しても同様で,"痛み"を症状とする疾病(病名)を探り,それに対する直接的な治療や鎮痛剤を投与するという意味ではなく,その"痛み"をもたらす病態(中国医学的病態)に対する根本からの施治(治療)について述べることを目的とするものである。
耳鼻咽喉科領域の疼痛には種々なものがあるが,紙数の関係もあり,頭痛について述べることにする。また,咽喉痛などについても,これに準じてよいと思われる。
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.