特集 耳鼻咽喉・頭頸部領域の痛み—その機序と臨床
IV.外来処置
痛みと外来処置
八尾 和雄
1
,
設楽 哲也
1
1北里大学医学部耳鼻咽喉科
pp.953-955
発行日 1989年10月20日
Published Date 1989/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200444
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はじめに
痛み症状は,精神的,意思的要素が関与し,外部的影響も受けやすいため,程度に個人差が生じ,他の感覚に比べて客観的に評価しにくい。従ってその対処は,どうかすれば間違った方向に向けられることもある。特に悪性腫瘍の存在では,有害刺激による生体組織の傷害を最小限にとどめる一つの警告信号と痛みを考えると,単に姑息的に痛みを除くことは危険であり,むしろ痛みが続いたとしてもその原因の究明に全力を注ぐべきである。この考えを大前提として,以下にしばしば経験する耳鼻咽喉科疾患,特に三叉神経と舌咽神経に関係する痛みへの処置を検討する。
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