目でみる耳鼻咽喉科
Mikulicz病
今野 昭義
1
,
伊藤 永子
2
1千葉大学医学部耳鼻咽喉科学教室
2秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.426-427
発行日 1989年6月20日
Published Date 1989/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200355
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1884年にMikuliczが両側涙腺,耳下腺,顎下腺の無痛性,左右対称性の腫脹を伴い,慢性の経過を示す1症例を報告して以来,Mikulicz病または症候群の名のもとに多くの症例が報告されている。本症はSchafferらによつて基礎疾患が明らかなMikulicz症候群と基礎疾患不明なMikulicz病に分類され,さらにMorganらによって病理組織学的所見をもとに従来(Mikuiicz病とされてきた症例は均Sjögren症候群(以下SjSと略)の亜型であると報告された。これが欧米における今日の一般的な見解である。著者はこれまでにMikulicz病と診断せざるをえない症例を11例経験したが,Mikulicz病とSjSの間には以下に示す大きい臨床像上の違いがある。現状では両者は別個の疾患として症例の集積,整理を行つておく必要があろうと思われる。
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