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I.緒言
外耳道を原発とする腫瘍は他の部位から発生する腫瘍と同様に良性と悪性とに分類されるが,ともにその発生頻度は少ない。外耳道腫瘍の主訴は難聴,耳閉塞感,外耳道腫瘤形成,耳痛などである。良性腫瘍は症状の発現が遅れるために受診までの期間が長いことがしばしぼである。また社内・学校健康診断時に外耳道腫瘍を指摘され,耳鼻咽喉科の受診を勧められ,診断される症例もある。
今回昭和60年から61年までに外耳道良性腫瘍3症例(唾液腺単一形腺腫,乳頭腫,母斑細胞母斑)を経験したので報告する。杉浦1)は1900年から1970年までの70年間に報告された159例を統計分析している。われわれは1971年から1987年までの17年間の104例を検討し,さらに両者の263例についても腫瘍の推移の検討を加えた。
Three cases of benign tumors in the external canal were reported. We analysed 104 eases from 1971 to 1987 in Japan. There were 263 reports of papillomas, ceruminomas, osteomas and melanomas of the external canal. The symptoms of the canal tumors were hearing loss, fullness, pain and oto-rrhea. In the recent literatures, papillomas and hemangiomas tend to decrease but ceruminomas increase gradually.
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