トピックス 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の人工臓器
22 channel cochlear implant患者の語音聴取能とその生理学的考察
船坂 宗太郎
1
,
高橋 整
1
,
湯川 久美子
1
,
城間 将江
1
,
熊川 孝三
2
1東京医科大学耳鼻咽喉科教室
2虎の門病院耳鼻咽喉科
pp.283-289
発行日 1988年4月20日
Published Date 1988/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411200136
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I.はじめに
Cochlear Implant(以下CIと略す)はわが国では立ち遅れた感があるが,欧米諸国では広く行われ国際学会も2年ごとに開かれている。CIは高度の蝸牛難聴ないしは聾の患者に対し,蝸牛の電気刺激により会話や環境音の聴取を可能とするもので,現在実用化されている方式は,①蝸牛の刺激部位によりextracochlcarとintracochlear,②電極数によりsingle channelとmultichannel,③電気刺激波形によりanalog型(音声波形を濾波・変調などの処理をしたうえで送り込む)とdigital型(音声波形の特徴を抽出し,これを電気パルスで送り込む)とに分類することができる。
筆者らは1985年末より現在まで,ニュークレアス社製の22channel cochlear implantを8名の聾患者に施行し,会話聴取能力の再獲得に有用であるとの結論を得ている。今回はリハビリテーションを一応終了した5人の患者について報告し,あわせて言語聴取に関する生理学的考察を述べることにする。
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