書評
中耳手術アトラス―Middle Ear and Mastoid Microsurgery
湯浅 有
1
1仙台・中耳サージセンター 将監耳鼻咽喉科
pp.1067
発行日 2013年12月20日
Published Date 2013/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102686
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多くの図と美しい写真により中耳手術のポイントを詳細に理解できる
本書は,イタリアの耳科手術の巨匠Mario Sanna先生らによって昨年出版された『Middle Ear and Mastoid Microsurgery』第2版の和訳書である。執筆者である須納瀬 弘先生は小生とともに1999年より半年間,Sanna先生の手術施設であるGruppo Otologicoで耳科手術および頭蓋底手術の研鑽を積まれた。その半年間で彼はSanna先生より絶対的な信頼を獲得,原書初版の作成依頼を受け,帰国後も何度かイタリアへ渡り執筆を続け,2003年には原書初版の発刊へこぎつけている。
つまり原書初版の原稿の大部分は須納瀬先生が執筆しており,また原書第2版においても執筆体制は踏襲されていることから,本書は単なるSanna先生の著書の和訳ということではなく,Sanna先生から直に薫陶を受けた須納瀬先生の,耳科手術に対する確固たる信念が刻み込まれている渾身の1冊といっても過言ではないテキストなのである。
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