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特集 分子標的薬時代の耳鼻咽喉科診療―処方するとき,服用患者を診るときのポイント
≪分子標的薬を服用する患者の診方≫
自己免疫疾患に対する生物学的製剤とその使用患者の診方
Treatment with biologic agents in autoimmune diseases
湯川 尚一郎
1
,
三森 経世
1
Naoichiro Yukawa
1
,
Tsuneyo Mimori
1
1京都大学大学院医学研究科内科学講座臨床免疫学
pp.506-512
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102549
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POINT
●生物学的製剤の臨床応用により,全身性自己免疫性疾患にはめざましい治療の進歩がもたらされた。
●特に,関節リウマチ(RA)に対するTNF阻害療法は,RA治療に“パラダイムシフト”をもたらし,臨床的寛解や画像的寛解が治療の目標となった。
●TNF阻害療法以外にも,IL-6受容体拮抗薬や,共刺激シグナル阻害によるT細胞活性化抑制薬といった,新たな生物学的製剤が使用されている。
●RAに対する生物学的製剤使用時には,感染症,特に肺炎には注意が必要であるが,TNF-αやIL-6を阻害することにより,臨床症状が乏しい,炎症反応が上昇しないなど,感染症が見過ごされやすい状況となることに注意が必要である。
●多発血管炎性肉芽腫症(GPA,Wegener肉芽腫症)は,難治性血管炎症候群のひとつであり,ステロイド大量とシクロホスファミド併用療法以外に有効な治療がほとんどなかったが,抗CD20抗体製剤であるリツキシマブの使用が可能となり,有効性が期待される。
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