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特集② 知っておきたい小児科の知識―専門医の診方・治し方
熱性けいれんと髄膜炎,脳炎,脳症
Febrile seizures, meningitis, encephalitis and encephalopathy
水口 雅
1
Masashi Mizuguchi
1
1東京大学大学院医学研究科国際保健学専攻発達医科学分野
pp.927-930
発行日 2012年11月20日
Published Date 2012/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102318
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Ⅰ はじめに
小児,特に乳幼児はインフルエンザ,中耳炎などありふれた感染症でしばしば発熱し,けいれんを起こす。感染症の発症後すぐにけいれんを起こせば小児科医を受診するだろう。その一方で,はじめ咽頭痛,鼻汁,耳漏などを訴えれば耳鼻咽喉科医を受診し,治療の経過中に発熱とけいれんを起こしてくる事例もあるだろう。
乳幼児が発熱に伴ってけいれんを起こす例はとても多い。その多くは熱性けいれんであり,一部は髄膜炎,脳炎,脳症である。多くの医師の間に,熱性けいれんについては「放っておいても自然に治る」「くみしやすし」という印象,髄膜炎,脳炎,脳症については「濃厚に治療しないと死亡か後遺症」「治療が遅れたら訴訟になる」印象がある。しかし実際には両者の症状は似ており,初期段階での鑑別は意外に難しい。
本稿では熱性けいれんと髄膜炎,脳炎,脳症について,病態,診断,治療を概説する。
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