Japanese
English
特集① 耳鼻咽喉科疾患と遺伝子
難聴と遺伝子
Deafness and gene
宇佐美 真一
1
Shinichi Usami
1
1信州大学医学部耳鼻咽喉科
pp.883-890
発行日 2012年11月20日
Published Date 2012/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102312
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Ⅰ はじめに
先天性難聴は出生1,000人あたり1人生まれる頻度の高い先天性疾患である。しかもそのうちの60~70%には遺伝子が関与していることが推測されている1)。したがって,先天性難聴の患者が受診した際に,まず原因として可能性の高いのが遺伝子変異による難聴であることを,念頭に置きながら診察することが重要である。図1は報告された非症候群性難聴の遺伝子の累積数を示しているが,2011年現在ですでに60数個の原因遺伝子が同定報告されている2)。これに難聴以外の随伴症状を伴う症候群性難聴の原因遺伝子の数を加えると100前後の遺伝子の変異が難聴を引き起こすと推測されている。
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