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特集 知っておきたい精神神経科の知識―専門医の診方・治し方
身体表現性障害の診断
Diagnosis of somatoform disorder
山田 和男
1
Kazuo Yamada
1
1東京女子医科大学東医療センター精神科
pp.189-192
発行日 2012年3月20日
Published Date 2012/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102084
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Ⅰ “身体表現性障害”とは?
“身体化”を主症状とする精神疾患を,“身体表現性障害”という。“身体化”症状とは,適切な検索を行っても,その症状をうまく説明できない身体症状(訴え)である。具体的には,胃カメラなどでの検査上は正常であるのに,食欲もなく胃の不快感が続くといったようなものである。狭義の身体化は,心理的な因子(ストレスや心的葛藤)が背景にあって起こる身体症状を指すが,広義には心理的な因子によらなくとも身体化という。身体化症状は,部位・形態ともに多岐にわたる。耳鼻咽喉科領域では,めまい,耳鳴り,難聴,咽喉頭部異物感などの身体化症状が多いと考えられる。
身体表現性障害は,症状の種類や特徴,罹病期間などにより,さらに7つに下位分類される(表1)。
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