視座
身体障害程度表現の煩雑さと混乱の実状
野崎 寛三
1,2,3
1東京医科大学整形外科
2恩給局
3東京都心身障害者福祉センター
pp.539
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905533
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身体障害者福祉法,国民年金法,厚生年金法,恩給法,労働者災害補償法等の肢体機能障害判定用診断書の記人を適確に行わしめるという努力が従来軽視されていたのではないか.それは記入法の煩雑さと障害評価の混乱があるためなのであろうか.
日整学会,日本リハビリ学会合同で設定された基本肢位を0°とする新ROM表現法も発表されて数年になるが,未だ一般の臨床医には普及されていないと思われる一方,恩給法,諸種障害福祉年金や労災法診断書の評価方式は旧ROM法ないしそれに類似する独自の計測法で記入せねばならず,この点では第一線の整形外科医でも困惑していることと思われる.また各種判定用診断書の書式の相違がある他に,診断書指定医は整形外科医とは限られていない点が混乱を助長していると思われる.さらにそれ所か,診断書指定医の診断書さえも不備のものが案外多いということは困つたことである.
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