特集 帰してはいけない疾患を除外した後の外来診療
【機能性疾患の積極的診断とフォロー】
身体表現性障害とMUS
朝倉 健太郎
1
1健生会大福診療所
キーワード:
MUS(medically unexplained symptoms)
,
器質的疾患
,
精神疾患
,
身体表現性障害
,
身体化症状
,
身体感覚増幅症状
,
身体化
,
不定愁訴
Keyword:
MUS(medically unexplained symptoms)
,
器質的疾患
,
精神疾患
,
身体表現性障害
,
身体化症状
,
身体感覚増幅症状
,
身体化
,
不定愁訴
pp.910-913
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200013
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Case
「原因不明」の腹痛にて長らく日常生活に支障をきたした症例
患者:30歳代,女性.
現病歴:およそ10年にわたる腹痛を主訴に来院.時に下痢や発熱を伴い,症状がひどい時には食事もとれず数日寝込んでしまうこともあったという.これまでいくつかの医療機関を受診したが,血液検査や他の検査でも特に異常はなく「原因不明」といわれている.診察上,腹部全般に軽度〜中等度の圧痛を認めた.会話内容や質問への返答は的確であるが,やや抑うつ的な印象もある.夫と二人暮らし.子どもはいない.事務の仕事をしているが中間管理職の立場でもあり,相応の責任を負わされているという.当初,炎症性腸疾患などを念頭に鑑別を進めたが,やはり検査所見などから一致しない.対症療法を継続し,自宅安静を必要とする診断書を発行,療養を優先することを勧めた.当初は執拗に症状のつらさを訴えるのみであったが,継続的な診療のなか,彼女自身も仕事や家族内の問題と身体の症状に関係があるのではないかと捉えることができるようになり,症状は少し落ち着いた.
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