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特集 こんなときどうする?―鼻科手術編
鼻前頭管が見つからない?!
Frontal surgery―how to find a drainage pathway?!
鴻 信義
1
,
浅香 大也
1
Nobuyoshi Otori
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.839-845
発行日 2011年10月20日
Published Date 2011/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101978
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Ⅰ.はじめに
内視鏡下鼻内手術(以下,ESSと略す)において,前頭洞病変に対しては通常,前篩骨洞を経由して前方斜視鏡下に鼻前頭管を可及的に開大し,前頭洞内に手術操作を進める1)。しかし元来鼻前頭管は,前頭蓋底や眼窩内側壁などの危険部位に囲まれており,開放できる範囲は解剖学的に制限される2)。また,鼻前頭管周囲の著明な粘膜浮腫・腫脹や骨増生,あるいは前頭窩より落下し内視鏡画像を曇らせる血液が,術中の鉗子操作や手術野のオリエンテーションを難しくする。すなわち,鼻副鼻腔疾患に対するESSのなかで,前頭洞手術は最も難しい手技といえる。鼻前頭管の位置がわからず,前頭洞内になかなかアプローチできなくて手術が止まってしまうという状況は,誰でもしばしば経験することであろう。
本稿では,ESS施行時に鼻前頭管が見つからないで困ったときにすべきことを述べる。
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