特集 耳鼻咽喉科頭頸部外科領域のサブスペシャルティ-手術指導医・専門医・相談医マニュアル-
鼻科領域の手術指導医・専門医制度について
鼻科手術指導医制度
鴻 信義
1
Nobuyoshi Otori
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科
キーワード:
慢性副鼻腔炎
,
副損傷
,
内視鏡下鼻内副鼻腔手術
Keyword:
慢性副鼻腔炎
,
副損傷
,
内視鏡下鼻内副鼻腔手術
pp.1252-1254
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001313
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鼻科手術指導医制度設立の目的
鼻科手術の代表的術式である内視鏡下鼻内副鼻腔手術(endoscopic sinus surgery:ESS)は,鼻副鼻腔領域の疾患はもちろん,頭蓋底や眼科領域まで広い範囲の疾患に対する低侵襲手術として広く定着している。主たる適応疾患である慢性副鼻腔炎においては,ESSにより洞内の炎症を徹底的に清掃することで患者のQOLは劇的に向上する1)。指定難病である好酸球性副鼻腔炎であっても,まずはESSを施行したのち術後加療をしっかり継続することでコントロールできる症例は多い2)。術後成績を向上させ再発のリスクを軽減するためには,根治的な病変の除去とくに篩骨蜂巣を完全に除去し,眼窩壁や前頭蓋の位置を適切に露呈しながら各副鼻腔の換気・排泄路を拡大することがキーポイントである。不十分な病変や蜂巣構造の除去は,術後再発の原因になる3)。
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