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特集 こんなときどうする?―頭頸部外科編
耳下腺腫瘍摘出中,顔面神経を切断してしまった!
Severed the facial nerve during parotid tumor surgery !
河田 了
1
Ryo Kawata
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科
pp.469-472
発行日 2011年6月20日
Published Date 2011/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101891
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Ⅰ.はじめに
耳下腺良性腫瘍では,ごく稀な場合を除いて「顔面神経切断」はあってはならない。ましてやタイトルにあるように「顔面神経を切断してしまった!」というような慌てた事態はどうしても避けなければならない。しかし一方,特に本術式に慣れてないときは,顔面神経がなかなか同定できず,ひょっとしてすでに切断してしまったのではないかという不安に陥ることがある。これまで幸い良性腫瘍手術で顔面神経を誤って切断してしまった経験はないが,そのような事態に陥らないための工夫あるいは陥ったときの準備は常にしているつもりである。
本稿では顔面神経を切断してしまわないように安全,確実に本幹を同定する方法,同定が困難な場合の対処,切断してしまったときの対応などについて述べる。
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