特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅱ.病原体をマスターする
3.ウイルス感染症
5)EBウイルス
高原 幹
1
,
原渕 保明
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.175-179
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101839
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Ⅰ はじめに
EBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)は,1964年にEpsteinらがバーキットリンパ腫の培養細胞内に発見したヘルペスウイルスの一つである。その特徴はヒトに広く常在していながら癌原性を併せもつことである。EBVはヒトB細胞に親和性を有し,伝染性単核球症などの良性B細胞増殖疾患やバーキットリンパ腫,免疫不全に伴う日和見リンパ腫などのB細胞リンパ腫との深い関連性がいわれていた。その後の研究により,ホジキン病,上咽頭癌,鼻性NK/T細胞リンパ腫といったB細胞以外の起源を有する悪性腫瘍や血球貪食症候群,慢性活動性EBV感染症,自己免疫疾患などとのかかわりが明らかになってきている。本稿では,EBVの特徴と感染の診断,およびEBVが病因になっている耳鼻咽喉科領域の疾患について概説する。
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