特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅰ.耳鼻咽喉科感染症の基本をマスターする
3.抗菌薬の使い方(PK/PD解析を含めて)
鈴木 賢二
1
1藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.23-30
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101814
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Ⅰ はじめに
耳鼻咽喉科領域急性感染症(急性中耳炎,急性副鼻腔炎,急性扁桃炎,急性咽喉頭炎)は,一般的にはウイルス感染で発症し,二次的に細菌感染症に移行することが多い。近年,小児急性中耳炎,急性鼻副鼻腔炎,急性咽頭・扁桃炎などの診療ガイドラインが発表されて重症度に応じた抗菌薬の種類・量の選択が示され,ガイドラインに準じた推奨治療方針が活用され,その有用性が検証されている。耳鼻咽喉科領域においては,特に肺炎球菌,インフルエンザ菌の耐性化が進んでおり,耐性化を食い止めるために,PK/PD解析に則った抗菌薬の開発も進んでおり,その適正使用が推奨されている。本稿では,はじめにPK/PD理論につき詳細を解説し,耳鼻咽喉科領域主要疾患からの検出菌の年次推移を検討し,主要な推定起炎菌の薬剤耐性率を勘案して,PK/PD解析に則った抗菌薬の適正使用につき考察を加える。
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