特集 耳鼻咽喉科感染症の完全マスター
Ⅰ.耳鼻咽喉科感染症の基本をマスターする
4.抗真菌薬の使い方
川内 秀之
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科学
pp.31-39
発行日 2011年4月30日
Published Date 2011/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101815
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Ⅰ はじめに
真菌による感染症としては,感染が皮膚や粘膜の表層にとどまる表在性真菌症と,皮下組織や粘膜下組織に侵入していく深在性真菌症がある。耳鼻咽喉科領域で抗真菌薬使用の対象となる疾患は,外耳道真菌症,鼻副鼻腔真菌症,口腔咽頭領域の真菌症などであり,局所的な軟膏の投与や,シロップ剤の内服,抗真菌薬の全身投与など,疾患やその重症度に応じて使い分けらえているのが実情である。
本項で取り上げるのは,抗真菌薬の分類や市販されている薬剤,薬物代謝のうえで基本的な理解が必要な事項,真菌症に罹患している患者への実際の使用について解説する。薬物療法については,外耳道真菌症と侵襲性鼻副鼻腔アスペルギルス症などを中心に解説する。
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