Japanese
English
目でみる耳鼻咽喉科
眼窩内に侵入した側頭下窩血管腫の1症例―異常眼球運動で発見された症例
Cavernous hemangioma extending from the infratemporal fossa to the orbit: A case that was found by abnormal eye movement
西平 茂樹
1
,
金 洋一
1
Hideki Nishihira
1
1JA秋田厚生連雄勝中央病院耳鼻咽喉科
pp.185-189
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101765
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Ⅰ.はじめに
側頭下窩(infratemporal fossa)は頰骨弓の高さより下方で下顎骨内方に位置し,上顎洞および頰骨体部の後方で翼口蓋窩,副咽頭間隙と連続する解剖学的に定義された空隙であるが,臨床的には三者を厳密に区分けすることは困難である1,2)。顔面深部で外方を骨で隔てられるため腫瘍性病変は相当な大きさに達しなければ外観上の変化をきたさず,また,臨床症状が初期から発現することも少ない部位であったため,従来からsilent area3)と称されてきた。近年,CTやMRI検査で同部が鮮明に描出されるようになり,腫瘍性病変の発見は容易になった。今回,食事の際に左眼球が異常運動を繰り返したことで発見された側頭窩下血管腫の症例を経験した。症例を詳述して若干の文献的考察を加えた。
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