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特集 診療所における工夫―私はこうしている
耳管通気の工夫
Non-otoscopic audio ventilation sound monitor
夜久 有滋
1
Yuji Yaku
1
1夜久耳鼻咽喉科医院
pp.121-125
発行日 2011年2月20日
Published Date 2011/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101749
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Ⅰ.はじめに
保険点数を伴い,医師自身が行ういわゆる『耳管処置』には金属性の耳管カテーテルを用いたカテーテル通気法とゴム製のポリッエル球を使用するポリッエル通気法がある。ともに耳鼻咽喉科診療所では頻回に行われる処置である。カテーテル通気時には患者は鼻腔の違和感や痛みを伴うために施行した医師の技量の評価につながるので,技術の習熟が必要なことは言をまたない。
カテーテル通気法の他の問題として,通気音の聴取がオトスコープを介して医師と患者の間のみであり,第三者が同時に聴取できず,客観性に欠ける点がある。また最大の欠点は多数の患者に耳管処置を行う場合はオトスコープの使用は医師にとって大変煩わしいことである。また医師,患者双方にオトスコープのプローブを介して外耳道感染症などを引き起こす可能性もある。これらの解決策として筆者は医師側がオトスコープを使用しなくても通気音が聴取できる自称『耳管通気音モニター』を自作して使用している。
ポリッエル通気法では同一器具を繰り返し使用することで,器具先端部からの鼻汁の吸い込みなどに伴う院内感染の危険性が挙げられる。またポリッエルのゴム球を頻回握り締めることによる医師側の手腕の疲労も生じる。これも診療所で日々行っていると無視できない問題となる。この解決策として,筆者は小児の鼻汁吸引に用いるガラス製のオリーブをポリッエルの代わりに使用する『オリーブ通気法』を行っている。
以下,この2点について紹介する。
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