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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―外来手技とインシデント・アクシデント
1.耳管通気・鼓膜切開
1.Eustachian tube inflation and myringotomy
山本 裕
1
Yutaka Yamamoto
1
1新潟大学医学部耳鼻咽喉科学講座
pp.813-819
発行日 2009年11月20日
Published Date 2009/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101509
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Ⅰ.はじめに
耳管通気が耳鼻咽喉科日常診療において行われる頻度は減少していると考えられるが,本手技が耳鼻咽喉科医にとって最も基本的な手技の1つであることに変わりはない。なぜならば本手技は外界と隔絶された中耳腔に,非侵襲的にアクセスする唯一の手段であるからである。
抗菌薬の進歩により中耳炎の制御は比較的容易となったが,鼓膜切開の果たす役割は今なおきわめて大きい。また近年,薬剤耐性肺炎球菌などの出現により保存療法のみでは制御できない急性中耳炎が増加しており,鼓膜切開術の重要性が再認識されている。
一方,耳管通気や鼓膜切開により稀ではあるが重篤な合併症が生じることがある。本稿では耳管通気,鼓膜切開を習得,施行する際に必要な局所解剖,安全な施行法,起こりうる合併症と防止法,対処法を概説する。
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