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特集 耳鼻咽喉科における心因性疾患とその対応
6.心因性発声障害―心因性失声症を中心に
6.Psychogenic voice disorders
井上 瞬
1,2
,
渡嘉敷 亮二
1,2
,
石毛 美代子
3
Syun Inoue
1,2
1新宿ボイスクリニック
2東京医科大学病院耳鼻咽喉科
3帝京大学ちば総合医療センター耳鼻咽喉科
pp.947-952
発行日 2010年12月20日
Published Date 2010/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101720
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Ⅰ.はじめに
耳鼻咽喉科の日常診療では,喉頭に異常所見はないが,『声が出ない』『声が出しづらい』『声がつまる』といった主訴で来院する患者が散見される。このような喉頭に器質的な異常を伴わない音声障害は機能性発声障害と呼ばれており,必ずしもそのすべてが心理的要因によるものではない。しかし,喉頭に器質的な異常を伴わないことで安易に『心因性』と診断されたり,また仮に心因性であったとしても,適切な治療を施されずにいたりすることで長い間悩み続けている患者もいる。今回は,心因性失声症を中心に心因性の関与が疑われる音声障害について述べ,さらに,心因性のものと間違われやすい,痙攣性発声障害についても言及する。
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