Japanese
English
シリーズ 知っておきたい生理・病態の基礎
6.眼球運動
6.Physiology of eye movements
肥塚 泉
1
Izumi Koizuka
1
1聖マリアンナ医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.457-463
発行日 2010年6月20日
Published Date 2010/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101640
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Ⅰ はじめに
眼球運動には非共同性眼球運動(左右眼が別方向に動くもの)と共同性眼球運動(左右眼が同方向に動くもの)の2種類がある。非共同性眼球運動には輻輳および開散運動があり,これらは視標が近づいたり遠ざかったりする場合の視覚の安定化に寄与している。一方,共同性眼球運動には前庭性眼球運動,衝動性眼球運動,滑動性眼球運動,視運動性眼球運動の4種類があり,これら4種類の眼球運動系が単独,あるいは共同して,頭部や体部の動きによって生じる注視対象のブレを防ぐことによって視覚を安定化している。本稿では,共同性眼球運動の代表格である前庭性眼球運動と,これら4種類の共同性眼球運動のうち,滑動性眼球運動を除く3つのシステムが共通の神経回路を用いている急速相(眼振急速相・急速眼球運動)の生理,前庭系と小脳の関係について概説する。
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