ご存知でしょうが
眼球運動と精神状態
島薗 安雄
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.1092
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204146
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眼球運動障害は神経学的には大変重要な症状の1つで,神経内科,眼科,耳鼻科などでくわしい検索が行われている。ところで,ふつうの神経学的検査では異常を示さない精神疾患や,精神状態の変動のさいにも,眼球運動にいろいろな変化がみられることが最近,注目され始めている。その内容のいくつかを紹介しよう。
まず追従性の眼球運動であるが,これのスムースな動き(smooth pursuit eye movements, SPEM)が精神分裂病患者において障害されることは,すでに1908年にDiefendorfとDodgeによつて報告され,また1934年にはCouchとFoxにより,類似のことが重い精神障害を持つ患者で観察されている。しかし,その後最近まで,この問題は余り注目されていなかつた。
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