特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の検査マニュアル―方法・結果とその解釈
Ⅱ.めまい検査
3.四肢平衡機能検査
將積 日出夫
1
1富山大学大学院医学薬学研究部(医学)耳鼻咽喉科
pp.103-108
発行日 2010年4月30日
Published Date 2010/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101597
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Ⅰ 四肢平衡機能検査とは
日常生活において,人間は起立し,歩行し,いろいろな運動を円滑に行うことができる。これは体のバランスがくずれないようにするための神経機構が備わっているからであり,前庭系,視覚系,深部知覚系という身体平衡にかかわるメカニズムが互いに深い関係を保ちながら,身体の平衡を維持している。したがって,これらのどこかに障害が起これば,身体の平衡を正常に保つことが困難となり,めまいや平衡障害が症状として現われてくる。めまい・平衡障害は,四肢身体の平衡失調という他覚的所見を呈し,四肢平衡機能検査により障害の程度,推移などを把握することが可能となる。本稿では,四肢平衡機能検査を,静的体平衡検査と動的体平衡検査に分け,検査の方法と判定基準,臨床的意義について概説する。
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