Japanese
English
原著
小児頸部キャッスルマン病の1例
A case of cervical Castleman's disease in a child
馬場 優
1,2
,
小川 郁
2
Yuh Baba
1,2
1大田原赤十字病院耳鼻咽喉科
2慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科
1Department of Otolaryngology,Head and Neck Surgery,Ohtawara Red Cross Hospital
pp.309-311
発行日 2010年4月20日
Published Date 2010/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101577
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Ⅰ はじめに
キャッスルマン病は,1954年と1956年に胸腺腫に類似した縦隔リンパ節の過形成としてCastlemanら1,2)により報告された疾患である。その後Kellerら3)が,組織学的にhyaline-vascular type(HV型),plasma cell type(PC型)と混合型に分類したが本疾患は病因がいまだ不明なこともあり,概念が明確にされておらず,多様な病態を包括するリンパ増殖性疾患としてとらえられている4)。臨床的には限局型(90%)と多中心型(10%)がある。当初は,HV型は限局型で,PC型や混合型は多中心型をとると考えられていたが,症例の集積から限局型はHV型であるが,多中心型はどの組織型もあることが明らかになった5)。好発部位は縦隔であるが,時に頸部に発生することがある6)。今回われわれは,頸部に発生した小児のキャッスルマン病の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
We reported a case of hyaline-vascular type of Castleman's diaease in a 14-year-old female. This disease occurs most frequently in the mediastinum. Possibility of Castleman's disease should be taken into consideration when a solid mass is noted in the neck in a child.
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