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キャッスルマン病とは
キャッスルマン病(Castleman's disease)は,1956年にMassachusetts General Hospitalの病理医Castlemanにより最初に報告された1).その論文は,縦隔に限局した胸腺腫類似のリンパ節過形成を有する13症例について述べられており,腫大したリンパ節組織は,リンパ濾胞の過形成と血管内皮細胞の増殖を伴う著しい血管新生という特徴を有していた.その後,Castlemanの弟子のKellerらによって形質細胞が濾胞間げきに多数みられるタイプが報告された2).これらの組織学的特徴から前者はhyaline vascular type(ヒアリン血管型),後者はplasma cell type(形質細胞型)と呼ばれる.また,両方の組織学的特徴を持つmixed type(移行型)もあることが報告された.一方,同様の腫大リンパ節が全身性に認められる症例が"multicentric" giant lymph node hyperplasiaあるいは"multicentric" angiofollicular lymphoid hyperplasiaとして報告され3~5),最近では多中心型キャッスルマン病(multicentric Castleman's disease,MCD)と呼ばれており,そのほとんどはplasma cell typeである.
キャッスルマン病の診断
キャッスルマン病は,キャッスルマンリンパ腫と呼ばれることもあるが,基本的には良性のリンパ増殖性疾患である.診断は腫大したリンパ節の病理組織の特徴に基づくが,それらはキャッスルマン病に特異的なものではなく,臨床症状や検査値の特徴を踏まえて診断する.結核などの慢性感染症ならびにリウマチ性疾患や悪性腫瘍の除外が必須である.リウマチ性疾患や悪性腫瘍が存在する場合,類似の症状やリンパ節病理所見を呈することがあるが,キャッスルマン病と診断すべきではない.
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