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あとがき
竹中 洋
1
1大阪医科大学
pp.660
発行日 2009年8月20日
Published Date 2009/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101486
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全く私ごとですが,6月1日から大阪医科大学の学長に就任致しました。学校法人の定めにより,学長専職となります。耳鼻咽喉科学教室の教授としての14年間,あるいは耳鼻咽喉科医としての35年間を振り返れば,将に『光陰矢の如し』,『少年老いやすく,学なり難し』が実感です。
耳鼻咽喉科学の臨床では,鼻科学の手術は大きく変貌しましたが,副損傷は増加しているとの報告があります。具体的には副鼻腔構造についての手術解剖習得が技術と並行していないのか心配です。アレルギー性鼻炎の一般的治療は進化したようにみえますが,患者の満足度は決して高くありません。また,20年前の課題であった根治療法はいまだに課題であります。明らかに上顎癌は減りましたが,inverted papillomaからの悪性化は頻度が高くなったように思います。顔面外傷が減少したのは乗用車の改良や乗車マナーの徹底からでしょうか? アデノイドや口蓋扁桃肥大の小児が増えてきているように思います。
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