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あとがき
竹中 洋
pp.186
発行日 2007年2月20日
Published Date 2007/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101106
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今年はことのほか暖冬とのこと,季節のめりはりがなくなってきています。京都では昨年は梅便りがずいぶん遅く,北野の梅と八坂の桜がほとんど同時であったように記憶しています。一方,温暖化の影響でこのままでは日本列島の亜熱帯化に手が届くといわれています。最大の変化は植生で,リンゴ産地は北海道へ移り,京都で温州みかんが採れるかも知れません。
気候と医学あるいは医療を考えても,伝染病の種類が変わるでしょうし,水際作戦が問題なのではなく,国内に持ち込まれる病原微生物やその媒介を務める動物の管理が大変になります。耳鼻咽喉科領域では冬がなくなることで,温度センサーと日射量センサーで管理されているスギの開花なども大きな変化が予想されます。北海道にスギやヒノキを植林するような馬鹿げたことは起こらないでしょうが,短い春が集中的な花粉飛散を呼ぶのではないでしょうか。
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