特集 頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで
序文―『頭頸部再建外科―日常臨床から理論まで』の発刊によせて
吉原 俊雄
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.5
発行日 2009年4月30日
Published Date 2009/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101410
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耳鼻咽喉科・頭頸部外科医にとって頭頸部腫瘍切除後の欠損に対する再建術が,これまでに目覚ましい進歩を遂げてきたことは周知のことであります。かつては有茎皮弁が多用され,その後は血管吻合の技術の向上により遊離皮弁,遊離空腸を用いた再建が増加してきた経緯があります。現在,切除後の再建の重要性はさらに高まっており,特に高齢化社会に伴い合併症を有する患者に対する切除,再建も増えてきています。一方,口腔,咽頭,喉頭領域の疾患では,摂食,嚥下などの機能も考慮した再建材料,再建術が望まれています。
本誌では,1999年(71巻5号)に『再建外科』に関する増刊号が発刊されて好評を博し,われわれ耳鼻咽喉科・頭頸部外科医にとって同号が一定の役割を果たしてきたと考えています。その後10年を経て,頭頸部の再建外科も形成外科医と耳鼻咽喉科・頭頸部外科医の熱意と協力でさらに発展してきていること,最新の再建外科に関してわかりやすくまとめられたテキストが切望されていることから,ここに再度,増刊号を企画することになりました。
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