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特集 耳鼻咽喉科とチーム医療の実践(2)糖尿病合併者のステロイド療法
3.糖尿病合併者のステロイド療法―糖尿病患者の行動変容を目ざして
3.Steroid therapy for the patients in association with diabetes: consideration on behavior modification in patients with diabetes
金子 富美恵
1
,
吉原 俊雄
1
Fumie Kaneko
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科
pp.33-40
発行日 2009年1月20日
Published Date 2009/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101369
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Ⅰ.はじめに
合成グルココルチコイドは,臨床的にはステロイドと称されている。主に抗炎症・免疫抑制効果が薬理作用として重要であり,耳鼻咽喉科領域においても例外ではない。経口・経静脈・外用などさまざまな経路からの投与が可能であり,いわばトランプのJokerとでもいうべき薬剤である。副作用も多岐で深刻なものが多く,特に糖尿病患者への全身投与においてはほぼ必発で,血糖コントロールの悪化をきたす。しかし,糖尿病にかかわる他科の医師,看護師,管理栄養士などに適切なコンサルテーションを行って協力を得ることにより,非糖尿病患者と同様のステロイド治療を行うことは可能である。加えて,重篤化するまで自覚症状に乏しい糖尿病患者にとって,血糖コントロールの重要性を理解して行動できるようになる,いわゆる『行動変容』の良い機会ともなりえる。本稿では実際にステロイドを投与した糖尿病患者の症例を通して,コンサルテーションの手順と血糖コントロールの実際,患者への有効な情報提供について述べる。
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