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特集 嚥下障害手術のコツ
1.嚥下障害手術の適応
1.Surgery for dysphagia and its indication
馬場 均
1
,
久 育男
1
Hitoshi Banba
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
pp.519-523
発行日 2008年7月20日
Published Date 2008/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101292
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Ⅰ.はじめに
手術は,嚥下障害の治療における重要な選択肢の1つである。嚥下障害の治療においては多くの診療科,職種が協力すべきであるが,手術は耳鼻咽喉科・頭頸部外科医の専門領域であり,また他科・職種から専門性を発揮することが期待されている。
嚥下障害に対する手術治療は,誤嚥の防止を主目的とし,喉頭を形態的,機能的に犠牲にすることをいとわない誤嚥防止手術と,形態的,機能的に喉頭を温存したうえでの実用的な経口摂取を目的に行われる嚥下機能改善手術とに分類される。
以下,誤嚥防止手術と嚥下機能改善手術の手術適応について論述し,嚥下障害治療においてしばしば問題となる気管切開術についても触れることとする。
嚥下障害の治療は医療面以外の社会的な因子への配慮も重要であり,嚥下機能改善手術,誤嚥防止手術について手術適応の標準的な基準を定めることは現実には難しい。
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