Japanese
English
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
㉑喉頭微細手術
㉑Clinical pathway for the management of laryngeal lesion using microlaryngoscopy
馬場 均
1
,
久 育男
1
Hitoshi Banba
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
pp.947-954
発行日 2007年11月20日
Published Date 2007/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101173
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I はじめに
クリティカルパス(critical pathway)は,米国で製造業界の工程管理を効率化するために導入された概念であり,1980年代には医療にも導入された1)。医療においてはクリティカルという語を使用することに抵抗があるため,クリニカルパス(clinical pathway:以下,パスと略す)と呼ばれることが多い。
米国では診断群別定額支払制度(diagnosis related group/prospective payment system:DRG/PPS)が1983年から導入されており,病院側のDRG/PPSへの対応策として有用であることからパスは急速に普及した。経営面の利点だけでなく,医療の標準化,在院日数の短縮,患者参加型医療の実践など医療の質を向上させるという観点からもパスは有用である2)。
わが国でも,1990年代半ばからパスが医療に導入され使用施設が増加している。
当科では2001年にパスを導入し,現在,口蓋扁桃摘出術,鼻内副鼻腔手術,喉頭微細手術,頸部手術(耳下腺,顎下腺,囊胞性疾患,甲状腺葉峡切除術などに適用)の4種類のパスを運用中である。現在のパスは,2003年の特定機能病院への診断群分類構築(diagnosis procedure combination:DPC)導入以前に作成したものであるが,パス自体が一度作成すればそれで完成するというものではなく,順次改訂することを前提としたものであり,現在検討中の改善点を含めて紹介する。
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