特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のリハビリテーション―症例を中心に
序
竹中 洋
1
1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.5
発行日 2007年4月30日
Published Date 2007/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101075
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リハビリテーションは手術や薬物と並ぶ医療の大きな手法であり,機能回復の最大の牽引車と表現することができます。従来,耳鼻咽喉科医は聴覚,平衡覚,嚥下機能などの診断と治療の第一人者でありました。しかし,リハビリテーション学会の誕生,言語聴覚士の充足や急性期や亜急性期,慢性期医療の考え方など社会環境の変化がわれわれの診療の周辺に押し寄せてきています。特に少子高齢化時代を迎え,難聴児の取り扱いは学校教育の対象から,3歳児,1.5歳児へと順調に早期発見の時代へ向かい,また,高齢者の増加は,嚥下機能異常の常態化を意味し,難聴に苦しむ人の増加や平衡覚異常も同様の傾向にあります。
このような時代性を反映し,新医師臨床研修医制度の導入に伴い,ハビリテーションとリハビリテーションは日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の基本的能力の修練の一部として位置づけられました。まさに,われわれは正しくこの実態を把握し,臨床現場で活用していく必要があります。加えて,リハビリテーションでは,参加する医療職の職種は多く,そのおのおのが協力して効果が上がるように務めなければなりません。言いかえれば,チーム医療のなかで医師の立場を改めて認識することが重要になってきました。
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