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特集 新生児聴覚検診の役割
1.検診の実際とその結果―高度難聴・人工内耳・中等度難聴と言語性IQによる評価
1.Practice of newborn hearing screening and its outcome: Profound hearing loss,cochlear implant,moderate hearing loss and evaluation of verbal I. Q.
加我 君孝
1
,
新正 由紀子
1
Kimitaka Kaga
1
1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.473-480
発行日 2007年6月20日
Published Date 2007/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101066
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Ⅰ.精密聴力検査機関としての東京大学病院に2000~2005年の間紹介された新生児聴覚スクリーニングを経た高度難聴児と発見の遅れた高度難聴児の比較
1.新生児聴覚スクリーニング後の受診の動向
近年,難聴児の早期発見,早期教育,新生児聴覚スクリーニングの重要性が世界的に注目され,わが国においても新生児聴覚スクリーニングは徐々に普及し始めている1)。その一方で,新生児聴覚スクリーニングは,その意義や家族に与える心理的影響などについて議論が多い2,3)。東京大学附属病院は首都圏の中心にあり,背景人口が約1,200万人と膨大で,年間出生数は東京都だけでも約10万人,周辺の埼玉県,千葉県,神奈川県を合わせると約30万人にもなる。交通の便も良いため,スクリーニングで『要再検』となった例や人工内耳やsecond opinionを希望など,問題を抱えた症例が紹介されたり,インターネットで調べて受診したりする。
厚生労働省の手上げ方式で2000年に始まった新生児聴覚スクリーニングを経た症例が受診するようになって6年が過ぎた。これまで当科のコミュニケーション外来を受診した新生児聴覚スクリーニング症例の動向について調査して報告する。対象は2000年1月~2005年12月の6年間に難聴の精査・治療目的で当科を受診した乳幼児のうち,前医で新生児聴覚スクリーニングを施行された69症例である。
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