鏡下咡語
頭頸部がん治療の40年
髙橋 廣臣
1,2
1神奈川歯科大学耳鼻咽喉科
2北里大学医学部
pp.634-635
発行日 2003年8月20日
Published Date 2003/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100925
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医者になって約40年間,頭頸部の腫瘍の診療ばかりをやってきて,そろそろ終わりに近づきました。丁度,鏡下咡語を書いてみないかと勧められましたので,この期に整理してみようと考えました。
頭頸部がんの発生頻度は,筆者らの調査では全悪性腫瘍の約10%です。また諸家の報告を加えて勘案すると,疾患別では甲状腺癌,喉頭癌,口腔癌が多く,下咽頭癌,中咽頭癌,悪性リンパ腫,上顎洞癌,上咽頭癌,唾液腺癌などがこれに続きます。がんセンターが中心になって行っている全国レベルの調査では,口腔癌が一番多いようになっていますが,全国に80もある医科大学の耳鼻咽喉科の大半が調査に参加していないのに,がんをよくやっている歯科大学のほとんどが参加しているという事情によっていると思います。
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