Japanese
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特集 周術期のリハビリテーション診療—何を考え何を診て何をするのか
頭頸部がん手術
Head and neck cancer surgery
伏屋 洋志
1
Hiroshi Fuseya
1
1静岡県立静岡がんセンター リハビリテーション科
1Division of Rehabilitation Medicine, Shizuoka Cancer Center
キーワード:
悪性腫瘍
,
頭頸部がん術後
,
僧帽筋麻痺
,
嚥下障害
,
代用音声
Keyword:
悪性腫瘍
,
頭頸部がん術後
,
僧帽筋麻痺
,
嚥下障害
,
代用音声
pp.457-463
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201946
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はじめに
頭頸部がんとは頭部,顔面,頸部を含む鎖骨-胸骨より頭側で頭蓋底までの範囲に発生する悪性腫瘍の総称であるが,中枢神経系(脳,脊髄),脊椎,眼窩内の腫瘍は除かれる.そこには鼻/副鼻腔・口腔(舌,歯肉,口腔底,頬粘膜など)・咽頭(頸部食道含む)・喉頭・唾液腺・甲状腺・聴器などが含まれる.つまり頭頸部領域には嗅覚,味覚,視覚,聴覚といった感覚器官が集約し,また発声・構音・咀嚼・嚥下・呼吸・内分泌系などにかかわる重要器官が密集している.そのため頭頸部の手術を行うにはその機能,解剖を熟知した頭頸部外科(広くは耳鼻咽喉科),切除部位の再建のための形成外科,口腔機能再建のための歯科口腔外科,麻酔科,部位の広がりによっては消化器外科(食道外科),脳神経外科,整形外科,眼科,さらには術前後の化学放射線療法のため内科,放射線治療科など各専門科による高度な集学的チーム医療を実践することが必要となる.
また,術後の障害も多様であるためチーム医療にリハビリテーション医療が関与する部分は非常に大きい.ここでは頭頸部がん手術後に生じうるすべての障害について記すことは紙幅の都合上困難であるため,特に静岡県立静岡がんセンター(Shizuoka Cancer Center;SCC)における頭頸部がん手術にあたりリハビリテーション科がほぼルーチンで介入する障害について概説する.
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