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特集 耳鼻咽喉科専門研修をはじめる医師へ―知っておきたい臨床解剖
5.頸部郭清術
5.Neck dissection
菅澤 正
1
Masashi Sugasawa
1
1埼玉医科大学国際医療センター頭頸部腫瘍科
pp.925-930
発行日 2009年12月20日
Published Date 2009/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411101523
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Ⅰ.はじめに
頸部郭清術は頸部リンパ節転移に対する標準的治療であり,頭頸部外科医にとって基本術式である。歴史的には1906年,Crile1)により始められ,Martinら2)により根治的頸部郭清術が確立したが,副神経切断によるshoulder syndrome, 頸部知覚障害などのため,患者のQOLは低下し,満足度の低い術式であった。近年の臨床病理学的データから,症例を適切に選択すれば,切除範囲の縮小,切除組織を省略しても頸部リンパ節転移の制御率にほとんど変化のないことが示され,保存的頸部郭清術が術式の中心となっている。本稿では,頸部郭清術に必要なリンパ節解剖,頸部郭清術の各ステップのポイントを中心に解説する。
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