Japanese
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特集 人工聴覚手術の現況
2.人工中耳
2.Middle Ear Implant
齋藤 武久
1
Takehisa Saito
1
1福井大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.94-99
発行日 2004年2月20日
Published Date 2004/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100534
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I.はじめに
人工中耳(middle ear implant)は世界に先駆けて1983年に日本で開発された。人工中耳は埋め込み型補聴器(implantable hearing aid)と同義語であるが,日本で臨床応用されたものは,中耳機能を代行するという意味で「人工中耳」と命名されたため,現在でも国内では人工中耳と呼ばれることが多い。国産の人工中耳の出力には限界があるため,埋め込みの適応は鼓室形成術によって聴力改善が期待できない混合性難聴で骨導域値が50dB以内の症例に限定されている。
しかし欧米各国ではその後,中等度から高度の感音性難聴の患者を対象とした高出力型の埋め込み型補聴器が数種類,開発,臨床応用されており,国際的にはこれら全てがimplantable hearing aidとして統一されている。これらは使用するトランスデューサーの種類によって,圧電式と電磁式に大別され,埋め込みの方式によって半埋め込み式と全埋め込み式に分けられる1~3)。
本稿では,本邦で開発されたリオン型人工中耳について解説する。
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