特集 囊胞性疾患
5.ラヌラ
市村 恵一
1
1自治医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.381-384
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100137
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Ⅰ.定義
ラヌラ(ranula)はラテン語のrana=蛙(frog)に由来し,小さな蛙という意味になる。日本語では「がま腫」ともいうが,がまはfrogではなくtoadに属するものなので,正確には訳語が正しくないことになるが,それを問題とする必要はない。ラヌラは唾液腺から唾液が漏れ,それが貯留した結果起こる偽性囊胞である。したがって,真性の囊胞と異なり,囊胞壁を有しないが,それを取り囲む結合織があたかも壁であるようにみえる。口腔底の腫脹が主症状となるが,前頸部の腫脹を合併したり,あるいはそれが単独症状であったりする。
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