特集 囊胞性疾患
3.正中頸囊胞
山村 幸江
1
,
今井 隆之
1
,
吉原 俊雄
1
1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.371-374
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100135
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Ⅰ.発生原因
正中頸囊胞(甲状舌管囊胞)は甲状腺の発生と深くかかわる。胎生2週ごろに甲状腺組織が舌根部の舌盲孔に相当する部に出現し,頸正中を下降して生下時の位置に達する。下降の際に甲状舌管と呼ばれる細い索状の管腔を通じて舌盲孔と連結する。甲状舌管は通常は胎生10週までには退縮する。しかし,人口の約7%では出生後も残存組織となる1)。特に管腔構造と上皮組織が残存している場合には,感染などをきっかけとして囊胞が形成され得る。
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