特集 囊胞性疾患
2.上顎洞以外の副鼻腔囊胞
春名 眞一
1
1東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室
pp.364-369
発行日 2005年5月20日
Published Date 2005/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100134
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Ⅰ.はじめに
上顎洞以外の副鼻腔囊胞として,篩骨洞囊胞,蝶形骨洞囊胞,前頭洞囊胞が挙げられる。副鼻腔囊胞の中では上顎洞囊胞の発生頻度が最も高く,上記の3つの囊胞の発生頻度はかなり低い。しかしながら,ひとたび発症した場合には,囊胞壁が視神経および頭蓋底に接しており,合併症の発生する危険性が高い1)。眼症状を呈することが多く,当初は眼科を受診することが多い。眼科医がCT画像を撮影して囊胞を確認し,早く耳鼻咽喉科に依頼すれば治療も早く開始できる2)。
以下,鼻・副鼻腔の前部副鼻腔(前篩骨洞と前頭洞)囊胞と後部副鼻腔(後部篩骨洞と蝶形骨洞)囊胞に分けて述べる。
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