特集 聴力改善手術
6.人工中耳
1)リオン式
本多 伸光
1
,
暁 清文
1
1愛媛大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.141-147
発行日 2005年4月30日
Published Date 2005/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100125
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Ⅰ.はじめに
人工中耳(middle ear implant)は埋め込み型補聴器(implantable hearing aid:IHA)とも称され,体内に埋め込んだ振動子で耳小骨を直接駆動して音を聞かせる装置である。本邦における人工中耳の開発は1978年から始まった。1983年に世界初の人工中耳(リオン式人工中耳)が開発され,翌年,愛媛大学においてヒトへの埋め込み手術が行われた。この人工中耳は圧電セラミック製の振動子で,アブミ骨を直接駆動するシステムを採用しており,ハウリングがなく,音質も補聴器と比較して自然で明瞭である1~5)。取り付け箇所の形態によってE方式とT方式の2種類があり,当科ではこれまで39例のE方式人工中耳埋め込み術を行ってきた6)。
本稿ではリオン式人工中耳の開発経緯,適応,手術の実際,術後成績,ピットフォールについて解説する。
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