Japanese
English
シリーズ DPCに対応したクリニカルパスの実際
②特発性顔面神経麻痺
②Clinical path for Bell's palsy
稲村 博雄
1
,
青柳 優
1
Hiroo Inamura
1
1山形大学医学部情報構造統御学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野
pp.337-344
発行日 2006年4月20日
Published Date 2006/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100053
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Ⅰ はじめに
クリニカルパス(以下,CP)は,医療の質の向上を目的とした「医療の介入内容を計画化,書式化し,医療の評価と改善を行うためのシステム」とされる1)。医療をそれに携わるチーム全体での討議のうえで計画,立案し,さらには患者自身もこの実践に参加するシステムである。これら医療計画の立案,実施,評価,改善という一連のシステムが,医療の質の向上,効率化,安全性の確保,ひいては在院日数の短縮や医療費の効率的使用に有用であることは,近年わが国でも広く認識されるようになっており,各医療機関において多くの疾患の治療にCPが導入され,実施されるようになってきた。特発性顔面神経麻痺(以下,Bell麻痺)やRamsay Hunt症候群(以下,Hunt症候群)などの末梢性顔面神経麻痺の治療に関しても,これらの病因,病態に関する研究の進歩によりその標準化が進み,CPの立案,運用は比較的スムーズに導入が可能となってきている。
本稿では,当科におけるBell麻痺,およびHunt症候群の治療方針につき述べた後に,当科にて実際に治療に用いているCPを紹介し,運用に当たっての留意点などについても言及する。
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