Japanese
English
特集 耳鼻咽喉科とウイルス
2.難聴とウイルス
2. Hearing loss due to viral infection
福田 諭
1
Satoshi Fukuda
1
1北海道大学大学院医学研究科病態制御学専攻感覚器病学講座耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
pp.25-30
発行日 2006年1月20日
Published Date 2006/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411100004
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Ⅰ.はじめに
ムンプスウイルスなどによる全身ウイルス感染の際に内耳炎が引き起こされ感音難聴が生じることは,古くよりよく知られている事実である。一方,難聴という立場からみても,感音難聴の原因の1つとしてのウイルス感染は重要なものであり,難聴の原因となるウイルス,臨床像,病理所見,ワクチンによる予防などについて述べていきたい1~7)。従来,ウイルスの内耳への感染経路としては(1)経中耳感染,(2)経脳脊髄液感染,(3)血行性感染,(4)神経行性(顔面神経を逆行性に)と神経節に潜伏感染したウイルスの再活性化が考えられており,各々のウイルスによっても異なる。
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